【オウンドメディア視点】WordPress のメリットとデメリットを解説【ブログ含む】
2021.11.17
9 min read
- オウンドメディアで WordPress を使用するメリット・デメリットを詳しく知りたい…
- 本格的な事業として、オウンドメディアを始めたいけど、WordPress で良いのだろうか…
- 他ブログサービスや最新技術で自作した場合と WordPress を比較してほしい…
このような悩みを解決するため、本記事では WordPress でオウンドメディア(ブログを含む)を運営するメリット・デメリットを、WordPress 歴 5 年以上の経験者が実体験に基づいて、まとめました。
また、実体験に基づいて、note や はてなブログなどの他ブログサービスや、本メディアのようにモダンな技術で自作した場合とも比較しています。WordPress を検討している方の参考になれば幸いです。
メリット・デメリットを一言でまとめると…
まず WordPress でオウンドメディアを運営するメリット・デメリットを一言でまとめると、以下のようになります。
- メリットは、マネタイズ(収益化)とカスタマイズの自由度が高いこと
- デメリットは、手厚いサポートがないため、自力で頑張る必要が多々あること
たったのこれだけ…?と疑問に思ったかもしれません。ご安心ください。あくまでメリット・デメリットをギュッと凝縮しただけです。
実際には、より深ぼると、多数のメリットと意外なデメリットが複数あります。それぞれ順番に解説していきます。
WordPress でオウンドメディアを運営するメリット
WordPress でオウンドメディアを運営するメリットは以下の通りです。
- コードをイジらず、Web ページの作成や編集が可能
- 魅力的な多数のテンプレート
- プラグインによる機能の追加
- カスタマイズの自由度が無限大
- マネタイズ(収益化)の手段が多い
- ユーザーが自社コンテンツに集中できる環境
順番に解説しましょう。
コードをイジらず、Web ページの作成や編集が可能
WordPress は専門知識が無くても、Web ページの作成や編集できます。下図のようにダッシュボード画面から、変更するだけで、ブログの投稿などが可能です。
WordPress を使わない場合、HTML というファイルを編集して、サーバーに毎回アップロードしなくてはいけません。
しかし、WordPress であれば、そんな面倒な作業が必要ないため、記事投稿に集中できます。
魅力的な多数のテンプレート
WordPress には、魅力的な無料テンプレートが用意されています。以下のような主要なページのレイアウトがデザイン済みです。
- カテゴリーページ
- トップページ
- ブログページ
- etc
さらに、PC だけでなくスマホにも対応(レスポンシブ対応)しているため、デザインを整えるコストを大幅に削減できます。
また、テンプレートの多くは、SEO 対策(検索エンジンで上位に表示させるための対策)済みで、Web 集客をすぐに始められる点も大きな魅力でしょう。
無料だけでなく、完成度の高い有料テンプレートもたくさん販売されています。私は有料テンプレートを使うことが多いです。
ここまでは、はてなブログや note などの他ブログサービスにもあるメリットでした。以降のメリットから、他ブログサービスにないようなメリットになります。
プラグインによる機能の追加
WordPress には、プラグインという機能があります。プラグインは便利アイテムのようなもので、基本的に無料で使えます(最高)。
下図のように、プラグインはたくさん公開されており、ダッシュボード画面から自由に導入できます。
導入すると、色々な機能が使えるようになります。以下、プラグインで実現できる一例です。
- 目次生成
- お問い合わせフォームの設置
- SNS のシェア数の表示
- etc…
プラグインを使いこなすことで、WordPress で取り入れたい機能を簡単に導入できることも、嬉しいポイントです!
カスタマイズの自由度が無限大
WordPress の強みは何といっても、カスタマイズにおける自由度の高さです。下図のように、簡単にサイドバーやヘッダーなどを自由に変更できます。
例えば、自分達の商品をバナーで PR するなど、可能性が無限です!
さらに、プログラミングが多少できるようになれば、オリジナルの装飾やレイアウトの変更はもちろん、ちょっとした Web サービスも作れます。
note やアメブロでは、殆どデザインをカスタマイズできません。はてなブログでは、ある程度のカスタマイズはできますが、WordPress ほど自由にカスタマイズすることは難しいです。
WordPress は使いこなせば使いこなすほど、カスタマイズの幅が広がり、オリジナリティが増していきます。
WordPress は外部サービスも導入しやいため、データ収集や分析など戦術の幅も広がります。
マネタイズ(収益化)の手段が多い
WordPress は他ブログサービスよりも、マネタイズの手段が豊富です。
外部サービスにもよりますが、自社製品の PR 禁止や特定のジャンル発信の禁止など、制約があります。そのため、思うようにマネタイズできないことも…。
ビジネスにおいて、WordPress は攻守ともに優れています。
ユーザーが自社コンテンツに集中できる環境
他ブログサービスを使用している場合、他社(他者も含む)の関連コンテンツや広告に囲まれていることがあります。そのため、自社コンテンツから離脱しやすい環境とも言えるでしょう。
一方で、WordPress を使えば、自社のコンテンツを中心にユーザーへ届けることが可能です。その結果、ユーザーとの距離感も縮まりやすく、ブランド醸成にも繋げやすいです。
一度、メリットをまとめます。
- コードをイジらず、Web ページの作成や編集が可能
- 魅力的な多数のテンプレート
- プラグインによる機能の追加
- カスタマイズの自由度が無限大
- マネタイズ(収益化)の手段が多い
- ユーザーが自社コンテンツに集中できる環境
WordPress でオウンドメディアを運営するデメリット
ここまで WordPress でオウンドメディアを運営するメリットを伝えましたが、デメリットもあります。
- 始めるハードルが高く、初期費用も発生する
- 検索 → 問題解決する力が必要
- 初期アクセスが少ない
- 自分でセキュリティ対策が必要
- システム更新のリスクあり
- 高度なパフォーマンスチューニングが難しい
- 大きな改修や移行のコストが重くなりやすい
それぞれ順番に解説します。
始めるハードルが高く、初期費用も発生する
WordPress は他ブログサービスと比べて、始めるハードルが高いです。WordPress をセットアップするために、以下のようなことを自分達でやらなくてはいけません。
- サーバーのレンタル(有料)
- ドメインの契約(有料)
- サーバーに WordPress をインストール
- WordPress の諸々の設定
とはいえ、WordPress の始め方やサーバーの選び方に関して、すでに色んな方のわかりやすい情報が公開されているため、路頭に迷い続ける確率は低いと思います。(本メディアでも、後日にまとめる予定)
しかし、他ブログサービスと比べ、腰が重いことは事実です。
また、サーバー代は月間 500 ~ 2,000 円、ドメイン代は年間 1,000 ~ 2,000 円(ピンきり)ほど、かかります。
そのため、無料で簡単にスタートできる他ブログサービスと比べて、WordPress の方が始めるハードルが高いです
WordPress に慣れると、15 ~ 30 分くらいで簡単にセットアップできるようになりますが、最初は1時間くらい見込むと良いでしょう。
検索 → 問題解決する力が必要
WordPress は基本的にサポートがないため、問題に直面しても、自分で原因や解決法を調べる必要があります。
とはいえ、WordPress 関連の情報は非常に多いです。高度なカスタマイズを除けば、グーグルなどで検索すると、解決法がすぐに見つかります。そのため、過度に WordPress にビビる必要はありません。
今までの経験から、他ブログサービスよりも、解決方法を検索しながら、問題解決していく頻度は多いです。
初期のアクセスが少ない
他のブログサービスの場合、サービス内に滞在しているユーザーがいるため、立ち上げ当初もある程度のアクセスが見込めます。
一方で、WordPress での立ち上げは、まるで人がいない土地に店を出すような状態に近いです。そのため、最初はアクセス数が非常に少なく、心が折れやすいのも、WordPress のデメリットと言えるでしょう。
WordPress は農業に似ており、種まきから収穫までの期間が長くなりがちです。立ち上げ時、アクセス数は少ないものの、継続することで伸びていきます。
自分でセキュリティ対策が必要
他ブログサービスの場合、運営会社がセキュリティ対策を実施していますが、WordPress の場合、自分でセキュリティ対策をしなくてはいけません。
具体的には、以下のようなセキュリティの問題を抱えています。
- WordPress への管理画面の違法アクセス
- サーバーへの違法アクセス
- 大量のアクセス攻撃(DDoS 攻撃)
- etc
このような危険に対し、二段階認証や万が一のためのバックアップ等、自分で対策しなくてはいけません。何か大変なことがあっても、自己責任です。
システム更新のリスクあり
WordPress を運用していると、主に以下3つが日々、進化していきます。
- サーバーの環境(厳密には、PHP というプログラミング言語)
- WordPress
- 導入しているプラグイン
システムを新しくするため、タイミングを見計らって、更新(アップグレード)するのですが、更新作業によって、WordPress が思うように動作しなくなるケースがあります。
ここから、WordPress で本格的なオウンドメディアまで育て、事業化したい場合のデメリットを2つ紹介します。
大多数の方はそこまで気にする必要はありません。
高度なパフォーマンスチューニングが難しい
WordPress で長く運用していると、パフォーマンス(表示スピード)を意識するようになります。なぜなら、パフォーマンスの良し悪しは、ユーザーの離脱に直結するからです。 参考:Web ページの表示速度が遅いと、重めの悪影響があるので要注意 | WebMarTech Lab
しかし、WordPress は各機能が一心同体のため、細かいパフォーマンスチューニングが苦手です。例えば、プラグインの一部機能だけを使いたくても、関係ない機能まで付いてきます。
このように WordPress は動作が重くなりやすく、パフォーマンスチューニングが難しい傾向があります。徹底的にパフォーマンスチューニングしたい場合は、ゼロから自作することをオススメします。
他のブログサービスに関しては、そもそもパフォーマンスチューニングできる箇所が殆どありません。そのため、外部サービスのパフォーマンスに依存します。
大きな改修や移行のコストが重くなりやすい
WordPress はコンテンツ(データ)と見た目(ビュー)が一心同体のため、改修した時の影響範囲が広くなりがちです。そのため、大きな改修や、サーバーの引っ越し等の移行コストが極めて高いです。
言い換えるなら、フットワークが非常に重いとも言えます。
運用初期は改修や移行は選択肢に入りませんが、アクセス数が大きく伸びると、できることやビジネスのアイデアも増え、色々とテコ入れしたくなるものです。しかし、改修や移行コストが重く、泣く泣く、そのまま WordPress を運用することが多いでしょう。
このように WordPress は立ち上げや運用コストは抑えられるものの、改修や移行などスケールする時のデメリットを抱えています。
こんな問題を解決するため、近年 Headless CMS が話題になっています(後日に解説する予定)
一度、デメリットをまとめます。
- 始めるハードルが高く、初期費用も発生する
- 検索 → 問題解決する力が必要
- 初期アクセスが少ない
- 自分でセキュリティ対策が必要
- システム更新のリスクあり
- 高度なパフォーマンスチューニングが難しい
- 大きな改修や移行のコストが重くなりやすい
おわりに
以上になります。最初に紹介した WordPress でオウンドメディアを運営するメリット・デメリットの一言まとめを再掲します。
- メリットは、マネタイズ(収益化)とカスタマイズの自由度が高いこと
- デメリットは、手厚いサポートがないため、自力で頑張る必要が多々あること
WordPress は外部サービスよりも立ち上げのハードルが高いですが、一度運用を開始すれば、その魅力に取り憑かれてるはずです。
一方で、WordPress の大規模な改修や移行は、大きなリスクを伴います。そのため、ゼロから自作できるエンジニアや本格的な事業としてスタートしたい方は、要検討すると、良いでしょう。